2011年8月15日月曜日

フラガール

夏だし、映画「フラガール(2006年)」を再観した。

今更だけどイイ映画。

まぁ、有名な映画ではあるのだけれど、ストーリーを要約すると、

昭和40年、時代の流れとともに廃坑に追い込まれた福島県いわきの炭坑町に常夏のハワイを建造するという世界で唯一(?)の再生物語。



このハワイというのが、常磐ハワイアンセンター(現 スパリゾートハワイアンズ)という大型レジャー施設で、昭和44年生まれの私も幼少時に1、2度家族で行ったことがあり、その時はヤシの木が生えた巨大な屋内プールという印象だった。

そして3年前の冬に仕事がらみでスパリゾートハワイアンズと名前の変わったハワイアンセンターへ一泊する機会があり、本物のフラガールを目撃。映画以上に感動してしまったのを覚えている。世界一の大露天風呂ってのにもおどろいた(笑)。

そして映画。
よい題材ではあるけれど、作品としてよくできている。
キャストがよい。
主演の蒼井優がすばらしいのはだれもが認めるところだけど、
松雪泰子が実在の人物になりきって演じきってる様は気持ちがイイ。
彼女は元々、メンズノンノのモデルさん(ノンノじゃないところがポイント)で私と同世代という事もあり活躍しているお姿を見ると嬉しくなってしまう。
お母さん役の富司純子もイイ味。朝の連ドラ「てっぱん」では期待はずれだったけれど…
岸辺一徳も豊川悦司もいいし、みんないい(笑)。

震災直後の行動も記憶に新しい、特異な映画評で知られるエガちゃんこと江頭2:50曰く「無駄な役者はひとりもいない」のであった。
ちなみにそのエガちゃんが熱く語る動画はYouTubeもニコ動も削除されたみたいなので(笑)、興味のある方は書き起こし、映画少年・江頭2:50の「フラガール」評をどうぞ。
関係ないけどエガちゃん、「2ちゃんねらーが唯一叩かない男」と呼ばれてるらしい、オモシロイ。

加えて、映画を構成する上でかかせない音楽もすばらしい。
ここ最近では「空から日本を見てみよう」でおなじみのジェイクシマブクロのウクレレがまた郷愁を誘うというかなんちゅうか、本中華なのである。
公式サイトをのぞいてみると…なんと、ハワイ出身の日系人である彼の母のルーツが映画の舞台、福島なのだとか。
サイト内のコメントで「…出来る事には限りがある」としながらも、今回の東日本大震災の被災者を支援をされている様子。
世の中にはどんな縁があるかわからないものだ。

そして、この映画で第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞など、数々の賞を受賞した。
監督 李相日(り さんいる)の手腕がまたすばらしい。
この方、在日三世の韓国人みたいだけど、日本のこころがわかってるんだろうなぁ。
たとえば役者のセリフひとつとっても方言がリアル。
スイングガールズとは雲泥のちがい。
話がそれるけれど、映画スイングガールズの舞台となった山形県置賜地方は私が産まれた土地で母方の実家があるところでもあり、内容はともかく、ほんとにガッカリさせられた。
まともに置賜言葉を話していたのは渡辺えり子(山形市出身)だけだったのが印象的。
ま、実話を元にしているわけだからフラガールのほうがハードルは高いわけで、仕方ないのかな。

話をもどす、奇しくも今回の東日本大震災で被災したスパリゾートハワイアンズ。
10月には営業を再開するそうで、心の底から嬉しく思う。
スパリゾート ハワイアンズ公式サイト

しかし、震災後この映画を観て思う事。
ハワイアンセンターが設立された経緯を考えると石炭に変わって台頭したエネルギーの問題をどうしても考えてしまう。
その石炭に変わるエネルギーというのが原発につながるわけで、ハワイアンズが再開してもこの先ずっとつきまとう放射能の問題が皮肉にも重くのしかかる。
映画を観るとハワイアンズに行きたい衝動に駆られるが、残念ながら今後はたやすく日本のハワイにいけなくなった(あくまでも個人的な見地)。
再開はうれしいけれどそれが人情というところ。

★映画のハイライト
このシーンはいつ観ても涙が出てしまう。


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